假屋崎省吾 音楽・花 教室
第22回
グラナドス : 演奏会用アレグロ
チューリップをいける
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〈用意するもの〉 花の写真すべて © Koichi Kitayama |
大好きなピアニストの一人として忘れることのできないのが、アリシア・デ・ラローチャ。パブロ・カザルスと同様、スペインのカタルーニャに生まれ、ピアノの女王の異名も戴くほどの大女流の筆頭格ですが、150センチあるかないかの小柄な体躯に、品の良さをそのまま映したチャーミングな笑顔が印象的です。
来日の度にコンサートホールに足を運んで、音楽とともにあることの悦びにあふれたピアノに触れ、どれだけ至福の時間を過ごしたことでしょう。2003年の日本での引退公演では、現代を代表する名手のクリスティアン・ツィメルマンが舞台に現れ、尊敬と感謝の念を込めて花束を捧げたことは有名です。
バッハにモーツァルト、ベートーヴェンやショパン、ラフマニノフ、ラヴェルなど、どれをとっても絶品。しかし、ラローチャといえばやはり、アルベニスやグラナドスにファリャ。彼女と同郷の大作曲家たちがしたためた作品の決定的な名演奏が、まず頭に浮かびます。
生き生きとしたリズム。色彩感に富んだ音色。奔放な表情を存分に味わわせながら、均整のとれた演奏で音楽のあるべき姿を示したラローチャは、スペインの音楽の普遍的な意味をすくい取り、広く世界に知らしめた存在です。スペインのグリーグと呼ばれたグラナドス直系とあって、詩的でロマンティックな情趣に格別の風格を感じずにいられません。
ヴィルトゥオージティーの粋を凝らして作曲された「演奏会用アレグロ」は、ラローチャの師匠の師匠、グラナドスの一番の人気作。ショパンに憧れたグラナドスの限りないロマンティシズムが華麗なテクニックのうちに浮かび上がります。
音が自由に舞い、リズムが交錯する世界を色鮮やかに咲き誇るチューリップに託してみましょう。幾重にも重なった茎が織りなす曲線に人生の機微がほのかに顔を出し、さまざまな表情を持った花の姿が生きる喜びを謳歌します。
アリシア・デ・ラローチャ/
グラナドス : 演奏会用アレグロ
●グラナドス:演奏会用アレグロ/
ゆっくりした舞曲/ピアノ組曲「ゴイェスカス」/わら人形
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
BMG JAPAN/RVCC−37269/税込1,700円
演奏至難な作品を生命力に富んだ演奏に聴かせるラローチャ。気品を漂わせる恰幅のよさは年を重ねる度に味わいを増し、聴くものの心を作品の内奥へと導いていく。
Profile
華道家。假屋崎省吾花教室主宰。
美輪明宏から「美をつむぎ出す手を持つ人」と評される。
著書に「花筺」「花暦」(メディアファクトリー)、
「花は心のビタミン」(東京書籍)、
「カリスマカーリーの幸せの美学」(マガジンウス)ほか多数。
現在TBS「中居正広の金曜日のスマたちへ」にレギュラー出演をはじめ、
テレビ・雑誌・聞幅広い分野で活躍中。
華道暦25周年記念となる「假屋崎省吾の世界展」が3月30日まで
東京・日本橋三越本店で開催される。
【假屋崎省吾 花・ブーケ教室】 http://www.kariyazaki.jp/




