2008年5月号の読みどころ
特集 ストラディヴァリウスを追跡せよ!
300年もの時を超え、演奏家たちの憧れの楽器として輝き続けるストラディヴァリウス。数多くの演奏家たちの手を経て現在に伝わり、妙なる響きを奏で続ける。その輝かしい系譜を辿るとともに、人類の遺産とも言うべきこの楽器の真の価値、未来を問う。
★創刊10周年記念大型連載
音楽史開封
最終回 幻の指揮者チェリビダッケ初来日
「モーストリー・クラシック」創刊10周年を記念する年間連載。日本のクラシック界は、第2次世界大戦の一時的空白から再スタートし、今や質・量ともに世界水準と言える所まで来た。その戦後音楽史を問い直し、「あの時、歴史が変わった」という出来事にあらためてメスを入れてみる。
1977年10月、“幻の指揮者”といわれたセルジュ・チェリビダッケが日本を初めて訪れた。招聘したのは読売日本交響楽団。しかし、それには彼の途方もない要求を全部呑む必要があった。特に過酷だったのは、1つのプログラムに対して32時間もの練習を要求したこと。しかし、その独特の緻密な音楽作りは当時の日本のオーケストラとは別次元の演奏を達成した。
★創刊10周年記念大型連載
ドキュメント2007 NEWSな人
最終回 小松亮太◎バンドネオン
さまざまなトレンドが目まぐるしく移り変わる現代。クラシック界を賑わす「ニュースな人」を追う。アストル・ピアソラのオラトリオ「若き民衆」を日本初演したバンドネオン奏者の小松亮太にスポットを当てる。このコンサートのために書き下ろした自作曲でも熱演を聴かせた小松。ピアソラを超えようという気概に満ちた姿が頼もしい。
情熱のかなた
最終回 梯剛之◎ピアノ
生涯をかけて情熱を傾けるべき音楽。真摯な眼差しの遥かな先に像を結ぶ理想を追い求める姿を追う。美しいピアノの響きのうちに、精妙な魂の震えるさまを映し出す若きピアニスト。鋭敏な感性を大いなる自然の懐にめぐらせ、作品のなかに彫琢された人間存在の真実を詩的な世界に指し示す希有の表現者、ベートーヴェンの孤高の精神に強い共感を抱いている。
★パリ国立オペラ初来日公演連載
巴里の衝撃―6
ジェラール・モルティエ総裁来日インタビュー
世界4大歌劇場の1つ、パリ国立オペラが、いよいよ日本にやってくる。今回は、2月に来日公演記者会見のために来日した、パリ国立オペラ総裁のジェラール・モルティエをインタビュー。今回の日本公演では、総裁自身が設定した「愛と欲望」というテーマによって結ばれた各演目を集中的に上演することで、演目それぞれが相乗効果を生み、音楽祭のような効果が得られるように組んだという。ザルツブルク、ルール・トリエンナーレなどの音楽祭を成功させた手法を日本でも試みようと意欲的だ。
秋川雅史の「風の旋律」<最終回>
「千の風になって」でクラシックのテノール歌手として初のミリオンを達成した秋川雅史が、多忙な日々の中で、自らのこと、音楽への思いや活動などを語る連載。4月2日に2年6カ月ぶりに発売されるニューアルバムの話題。すべて日本の名曲ということで構成されたが、5人ものアレンジャーを曲によって変え、自ら深くかかわってアレンジには凝りに凝ったという。
社会を創る―音楽の現在(いま)
第7回 いま、ブラバンCDが熱い!
現在の音楽界の新しいさまざまな現象をとらえ、そこにでき上がっている一つの「社会」を明らかにする連載。7回目は、ブラバンもののCDが最近相次いで発売されている背景を探った。CDは「ブラバン!甲子園」のほか、「ブラバン!高校サッカー」が発売され、前者の売れ行きが15万枚、後者は発売2カ月で1万枚と、異例の人気商品となっている。これに続き、六大学野球版や新作を集めたものなどが出る予定。支持される背景には、ブラバン人口がもともと多いことなどが挙げられる。また、これまで音楽に関心がなくとも、スポーツの感動を通してブラバンに興味を持ち、CDを購入する層もかなりいるようだ。
幸田浩子の「HirOPERA」
聴く者の心を融かすオペラ界のミューズ、幸田浩子が舞台という夢の世界で体験した面白話や感動をつれづれなるままに語る連載。第12回は、イタリア留学中に体験した3月8日の「La Festa delle Donne(女性の祭日)」について。男性が女性にミモザをプレゼントする風習で、街中が花で彩られる美しいイタリアの祭日を振り返る。
楽器ミュージアム
最終回 ヴィオラ◎清水直子
楽器は優雅なフォルムを失うことなく、機能的な進化を遂げてきた美と技術の結晶。そしてそれを操る演奏家たちが、楽器との運命的な出合いや特色、魅力について語る。最終回はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席としても活躍するヴィオラ奏者の清水直子が登場する。現在の愛器は、ベルリン・フィルの友人に紹介してもらったドイツ人の製作者による新作のヴィオラ。新しい楽器を手にしてから「いかに自分のイメージにあった音を出すか」ということが課題として加わった。
おもいっきり!オーディオ
最終回 清水章吾(俳優)
コンサート会場で生演奏を聴くのもいいが、オーディオ機器を用いて聴くのもまたいい。著名人が語る「こだわりのオーディオライフ」をのぞいてみると、そこには音楽の究極の楽しみ方が見えてくる。最終回はテレビドラマや映画、CMで活躍する俳優の清水章吾さんが登場。30年以上のオーディオ歴を誇り、多くの時間と情熱をオーディオに注ぎ込んできた清水さんを変えたのはあるインタビュー記事だった。その記事をきっかけに真の楽しみ方に目覚めたという清水さんが新しいオーディオライフを提案する。
極・私的名演
第10回 竹村健一 政治評論家
人には、いつまでも忘れられない演奏がある。たとえ、誰も覚えていなくても、自分にだけは忘れられない名演が・・・。各界の著名人、文化人が、胸のうちに残る「自分だけの名演」の思い出を語るコーナー。第10回は、広い見識と歯に衣着せぬ論調で世界の動向を斬る政治評論家、竹村健一が登場。若き日にアメリカで出会ったホセ・イトゥルビの演奏の思い出を語る。
カール・ライスター写真館
第10回◎新しい時代へ 1989〜94年
70歳、楽壇生活50年を迎えたクラリネットの巨匠。楽壇の帝王カラヤンの急逝後、激変する世界の状況とともに、音楽の世界にも新しい時代が到来する。いつの時代にあっても音楽に対する限りない情熱を注ぎ、邁進する姿を追う。
僭越ですが…
新鋭・元気記者の観た!聴いた!感じた!<最終回>
モーストリー編集部の田子元気記者が、演奏家や音楽評論家などを突撃取材する体験リポート。最終回の訪問先は、元気記者が憧れる作曲家の林光先生。音楽劇の普及など、社会全体に音楽を広めようと奮闘する作曲家の本質に迫る。うたごえ運動は成功したのか、社会派の作曲家とは、戦後日本の作曲家の中で一番才能があったのは、などの僭越な質問を投げかけてみた。御年76歳の林先生が日本の音楽界に望むことをお聞きし、連載を締めくくった。
「定年」たちに贈る
グレート・マスターズの「一分(いちぶん)」
最終回 嶺貞子(ソプラノ)
「グレート・マスターズ」――それは日本のクラシック音楽界の草創期を華やかに飾り、いまなお音楽を追究し続ける、老熟のアーティストたち。彼らはどんな壮年時代を送り、なぜ、いまなお輝き続けていられるのか。このコーナーは、彼らから「定年前後」の人々に贈るメッセージである。最終回となる今回は、日本におけるイタリア歌曲の第一人者、嶺貞子が登場。障害を持ちながらも、厳しい精進を続けていまなお美しく研ぎ澄まされた歌唱を聴かせる彼女に、その秘訣を聞いた。
追跡!小澤征爾
2月24日から5回に渡ってフィレンツェ歌劇場で「エレクトラ」が上演された。1年半ぶりにフィレンツェ歌劇場に登場した小澤は、ロバート・カーセンの人物の描写に優れた演出とともにドラマに満ちたエレクトラの物語を作り上げた。
マエストロ列伝
40年以上にわたり世界の音楽家を撮り続けるステージ写真の第一人者、木之下晃が巨匠の世界を綴った、創刊号から続くコーナー。5月号は、ラトヴィア出身のチェリスト、ミッシャ・マイスキー。ロストロポーヴィチ以後の世代を代表する奏者として世界中で活躍する人気者。卓越した演奏、人柄のよさが魅力の巨匠の横顔を、木之下氏が文章と写真でスケッチする。木之下氏撮影の貴重な写真4点が見どころ!
Stage
注目の公演を控えたアーティストの肉声を伝えるインタビュー・コーナー。毎回、内外の人気アーティストが登場します。今月登場するのは・・・・
●ケント・ナガノ(指揮)
●ダニエル・デ・ニース(ソプラノ)
●飯田みち代(ソプラノ)
●南紫音(ヴァイオリン)
●鵜塚一子(ピアノ)
●小森邦彦(マリンバ)
●豊田喜代美(ソプラノ)
●大萩康司(ギター)
Watch! のだめカンタービレ
最終回 のだめクロニクル
20巻も発売されて、いよいよ3000万部に届こうかという勢いの「のだめカンタービレ」。ドラマのスタートから1年以上にわたって追いかけてきたこのコーナーの最終回では、「のだめ」の登場から現在までを振り返るとともに、クラシック音楽界に与えた影響を総括する。
Opera Now & Next
日本のオペラの現在の話題の公演とこれから上演される演目の魅力を紹介するページ。話題の公演を扱うNowでは、4回目の上演となる東京二期会のワーグナーの「ワルキューレ」(飯守泰次郎指揮、ジョエル・ローウェルス演出)に注目。またNextでは、チャイコフスキーの叙情的情景「エフゲニー・オネーギン」を取り上げ、4月の東京のオペラの森、9月の新国立劇場による2つの公演が楽しみな作品を徹底分析する。
オーケストラ新聞
日本のオーケストラをより親しむために、その動きを追う「月刊新聞」。今月は、「2008都民芸術フェスティバル」のオーケストラ・シリーズがトップ記事。NHK交響楽団を元ベルリン・フィル首席オーボエ奏者のハンスイェルク・シェレンベルガーが指揮するなど、聴きどころの多い公演が並んだ。ほか、大阪センチュリー交響楽団が6年ぶりの東京公演、第56回尾高賞に西村朗の「幻影とマントラ(2007)」の選出などを掲載。楽友録は、日本フィルハーモニー交響楽団の首席ヴィオラ奏者・後藤悠仁さん。
音楽のある風景
江藤俊哉先生を偲ぶ会
日本人ヴァイオリニストとして初めて国際的な活動を展開する一方、桐朋学園大学学長を務めるなど、優秀なヴァイオリニスト、演奏家をその門下から輩出した江藤俊哉。東京・赤坂のサントリーホールで行われた偲ぶ会には、多数の参列者が花を手向け、腕利きの愛弟子たちが集結して弦楽オーケストラを編成して哀悼の響きを奏でた。
World Music Scene
クラシックの世界の話題を、現地からのリポートと写真でおくる。今月は、パリ・オペラ座で25年ぶりに新演出上演されたヴェルディ「ルイザ・ミラー」。内田光子をソリストにニューヨークで演奏したシカゴ交響楽団。秋の日本公演でも上演される音楽をあらたに校訂したムーティ指揮ウィーン国立歌劇場のモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」、ヴェネチア・フェニーチェ劇場のプッチーニ「つばめ」、など。
東西南北
●ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン概要発表
●オペラの華「フィガロの結婚」vs「ばらの騎士」
●新進指揮者カバリエ=ドメネク日本デビュー
●オランダ・バッハ協会「ヨハネ受難曲」
●CHANEL Pygmalion Days
武満徹― 夢の未来へ
第26回 一柳慧(作曲)
日本が世界に誇る武満徹の没後10周年に始まった作品の初演者を訪ねて、作曲家の軌跡とその人間像を追うシリーズ。今回は、日本を代表する作曲家の一柳慧が登場。十代で知り合い、芸術論を語り合った2人は。一柳が日本にもたらした60年代の「ジョン・ケージ・ショック」に共に触発されるなど、様々な活動で音楽シーンを牽引していく。その一柳が、盟友の武満の作品の初演に参加した思い出を語る。
これがおススメ!音楽生活 私の投資銘柄
クラシック音楽の「消費大国」日本。あふれかえる公演の中からどれを選べばよいか。「モーストリー・クラシック」目利きの執筆陣が、5月のコンサートの中から優良銘柄を大胆に選定。あなたの「音楽生活への投資」をしっかりナビゲートする。併せて、2月の投資結果も検証。
黒恭の感動道場
音楽評論家・黒田恭一が音楽界のできごとを独自の視点から捉えたエッセー。今月は、不測の事態に対処するコンサート会場での心構えについて。著者が取材時に高熱が原因で倒れた体験を通じ、ザルツブルク祝祭大劇場に待機していた医師と看護士のことを思い出す。果たして、高齢化の進む日本の演奏会場では、緊急の事態に対処できるだろうか。しかるべき対処の教育をスタッフが受けている新国立劇場の常識がすべての演奏会場で通用するとは限らない。体調不良をおしてコンサートに出かけることがあってはならないと自戒する著者。
新保祐司の音楽雑話
クラシックに造詣の深い文芸評論家、新保祐司が、音楽とは何か、音楽を聴く意味など、クラシックに関する思いをさまざまにめぐらす。第23回のテーマは「シューベルトとフリードリヒ、あるいは『弦楽五重奏曲ハ長調』」。ドイツ・ロマン派の代表的な画家、カスパール・ダーヴィト・フリードリヒの作品と共通する世界をもつフランツ・シューベルト最晩年の大曲、ハ長調クインテットについて思いをめぐらす。
今月の本
●武満徹 対談選 仕事の夢 夢の仕事 編●小沼純一 筑摩書房
●ボクたちクラシックつながり ピアニストが読む音楽マンガ 著●青柳いづみこ 文藝春秋
●作曲家◎人と作品シリーズ シューマン 著●藤本一子 音楽之友社
●クラシックCD エッセンシャル・ガイド オペラ&声楽編 著●宇野功芳、喜多尾道冬、堀内修、岡本稔、他 学習研究社
●世界に輝いた少女 母なるピアノ 著●高橋巌夫 新生出版
谷口久美のご縁あそばせ
最終回 横山禎徳 社会システムデザイン研究所ディレクター
ファッションブランド「フレッド」代表で、ファッション界きってのオペラ通である谷口久美が、各界の“一流”の人々と対談するコーナー。最終回である今回は、社会システムデザイン研究所の横山禎徳氏が登場。
横山氏は政府の各省庁に“横串”を通して諸問題に対処することを提唱。消費者中心の社会を建設すべきと説く。それをいかに実現するかを社会システムデザインと命名している。例えば医療分野では高齢者の医療費が増加しているが、考え方しだいで、解決策は見つかると言う。そのためにはまず縦割り行政を排除することが肝要というわけだ。また最近では農業問題にも関心を向け、輸入頼みの日本の農業への処方箋を提唱する予定だ。
假屋崎省吾 音楽・花教室
グラナドス:演奏会用アレグロ◎チューリップをいける
音楽をこよなく愛する天才華道家、假屋崎省吾。大好きなピアニストの中でも特筆すべき存在がアリシア・デ・ラローチャ。スペインのアンダルシアが生んだ大女流のピアノは、躍動感に溢れたリズム、鮮やかな色彩感に富んだ響きで音楽を紡ぎだす。超絶技巧と豊かな民族性を映したグラナドスの「演奏会用アレグロ」が色とりどりのチューリップの姿の向こうに表れる。
花物語
四季折々の美しい花を、大出一博の写真と花にまつわる各界著名人の素敵なエッセーで楽しめる巻頭グラフ。5月号はルイ・ヴィトン・ジャパングループの代表取締役社長などを務めるエマニュエル・プラット氏が登場。フランスでは白いユリは純潔、清らかさの象徴とされる。プラット氏は折りに触れ、凛とした姿で優雅さと気品を放つカサブランカを大切な人に贈るのだそう。
my favorite music
最終回 未来優希
タカラジェンヌの思い出の一曲と、お気に入りのCDを紹介するシリーズは、雪組男役の未来優希で最終回を迎える。歌唱力で高い評価を得ている未来は、いつも家中にCDが流れているなど、自然と歌を聴く環境で育った。そんな幼少期を振り返り「音楽は絶えず自分の中に流れているもの。音楽は勉強しつつ楽しむものになっています」と語る。